//// 2003年4月1日 ////



 お元気ですか??先日みなさんにお送りました、人文字で作ろう「せんそうアカン」ですが、成功したようです。高校生や大学生から何か意見を発信していく事は、例えイベント性が先行したとしても、僕は日本の将来にポジティブに感じております。

 理想的には、その「せんそうアカン」に参加した人たちとの連携を強めて、どこかにアプローチをて頂きたいたりすると、もっと効果的かと、その為にはインターネットはとっても便利、是非、活用して頂きたい、その為に必要な技術や知識でしたらいつでも供給できますので、困ったらメールしてください、協力は惜しみません。


■東京的音楽生活 首藤明彦/音楽プロデューサ協会事務局長


○YES WE CAN

朝のテレビで、「フィル・スペクターが殺人容疑で逮捕」という報道をやっていてビックリ。60年代の天才音楽プロデューサーが行き着いた先としては、なんとも悲しい結末。同時代のライバルとも言える天才音楽家で、長年に渡る苦闘の生活を経ながらも、アーティストとして現役復帰したブライアン・ウィルソンとは見事に対照的な今の姿に、複雑な思いが去来します。

最近、個人的再評価というか、改めて聴き直して気に入っているものにブルー・サム時代のポインター・シスターズがあります。70年代末にソウル・フィールドの女性ヴォーカル・グループとしてカムバックをし、ヒット作を連発するようになる以前、1973年にブルー・サムからデビューしてから70年代半ばまでは、どちらかといえばジャズ・フィールドで語られることの多かったアーティストでした。私もジャズ喫茶でブルー・サム時代のアルバムをよく聴いた記憶があります。そのオールド・タイミーでノスタルジックな感覚に溢れた、ジャジーかつ完璧なコーラスワークに驚かされたものです。

そのブルー・サム時代の曲で特に印象に残っているのが、ニューオーリンズの代表的プロデューサー/コンポーザー/ミュージシャンであるアラン・トゥーサンの作曲した “Yes We Can Can”です。アラン・トゥーサンの曲の中でも特に好きなこの曲は、ソウル・ファンにはそのトゥーサンがプロデュースし、ミーターズが演奏をしたオリジナルのリー・ドーシーのヴァージョンでよく知られています(ドーシー盤は “Yes We Can”)。ドーシーの飄々としたヴォーカル・ヴァージョンとはまた別の魅力をこの曲から引き出したポインター・シスターズのカヴァー・ヴァージョンは、カヴァーの成功例としていつも真っ先に思い出されます。

今日の愛聴盤
○THE POINTER SISTERS: THE POINTER SISTERS (LP 1973年 米Blue Thumb BTS 48)
ポインター・シスターズの記念すべきファースト・アルバム。A面の冒頭を飾る “Yes We Can Can”のカッコよさにノックアウトされ、続く “Cloudburst” のジャジーなコーラスに圧倒されます。
○LEE DORSEY: YES WE CAN (LP 1970年 米POLYDOR STEREO 24-4042)
トゥーサン、ドーシー、ミーターズのコラボレーションによるニューオーリンズR&Bおよびファンクの金字塔。表題曲の他、ロバート・パーマーがカヴァーした “Sneakin’ Sally Thru The Alley” などどれもが名曲。
○ALLEN TOUSSAINT: TOUSSAINT (LP 1971年 米SCEPTER SPS 24003)
この頃のトゥーサンは正に才気走っているとしか言いようがありません。この年にはザ・バンドの “CAHOOTS”のレコーディングに参加(ホーン・アレンジ)、ロックサイドと接触をはかります。そしてこの後70年代半ばにかけて、ロック・ミュージシャンのトゥーサン詣で、ニューオーリンズ詣でが始まるのです。
○ESTHER PHILLIPS: FROM A WHISPER TO A SCREAM (LP 1972年 米KUDU KU-05)
上記の “TOUSSAINT” 収録曲を2曲採り上げたのがエスター・フィリップスのKUDU第一弾となったこのアルバム。ピー・ウィー・エリスのアレンジの下、コーネル・デュプリー(g)、エリック・ゲイル(g)、ゴードン・エドワーズ(b)、リチャード・ティー(kb)といった後のスタッフ組にバーナード・パーディー(ds)、ハンク・クロフォード(as)といったソウル・マスターがバックを務める本作は、正に今に聴かれるべき一作。

○祝アド街14位

しかし寒いですね。寒いのが苦手な私には、これから益々試練の日々が続きそうです。こんな時は家でコーヒー飲みながら、スワンプ・ロックやソウル・ジャズなんぞ聴いているのが一番です。

先週の土曜日、TX(テレビ東京)の「アド街ック天国」は代々木の特集だったので、もしやと思いテレビをつけました。すると思った通り選ばれていました。第14位「代々木ナル」。ママの美紗子さんもバッチシ登場してました。

地元のミントンハウスに通いジャズに興味を持ち始めた高校生の頃、代々木ナルは未だ見ぬ憧れのお店でした。当時「スイングジャーナル」誌のジャズオーディオ道場の中に「道場破り」という企画があり、マスターの成田勝男さんがスイングジャーナル側が送り込んだオーディオ評論家の菅野沖彦さんと対決、見事門前仲町のタカノに続き免許皆伝されたのです。

結局、御茶ノ水ナルにメインで通い、代々木ナルは数えるほどしか行きませんでしたが、ナルOB会のメンバーとしては嬉しい限りです。

今日の愛聴盤
○TONY JOE WHITE: THE TRAIN I’M ON (LP 1972年 米WARNER BROS. BS 2580)
ルイジアナ生まれのリアル・スワンパーは、ナチュラルなディープさが身上。マッスルショールズのつわものバリー・ベケット(kb)、デイヴィッド・フッド(b)、ロジャー・ホーキンス(ds)や同郷のロニー・バロン(kb)がシンプルながら味のあるバックアップを務めます。秋から冬にかけて聴きたくなる哀愁&郷愁の一枚。
○RONNIE BARRON: BLUE DELICACIES (LP 1979年 米SUNSHINE SPD-1023)
トニー・ジョーの録音に参加しているもう一人のドクター・ジョン(というかドクター・ジョンにならなかった男)の3枚目は、ニューオーリンズ・クラシックのみならず、ゴスペルやジャンプ・ブルースも披露。彼のバックグラウンドが窺い知れます。
○CHUCK RAINEY: THE CHUCK RAINEY COALITION (LP 1971年 米SKYE SK-1008D)
ソウル&ファンキー・ベースの第一人者が70年代初頭にリリースした、(彼は参加しなかったが)スタッフ前夜ともいうべきインスト・アルバム。リチャード・ティー(kb)、コーネル・デュプリー(g)、エリック・ゲイル(g)といった後のスタッフ組や、バーナード・パーディー(ds)などのマスターたちによるソウル系ジャズ・フュージョン。ベースが刻む8ビートや16ビートのノリが凄い。

○小泉八雲のレシピ本

インターネットのサーチ・エンジンでよく調べ物をするのですが、たまに思いもかけず面白い情報がひっかかって喜ぶことがあります。小泉八雲の著作「ラフカディオ・ハーンのクレオール料理読本」(ティービーエスブリタニカ)という本の存在も、昨日そうやって知りました。小泉八雲が日本に来る前、1877年から10年ほどニューオーリンズに滞在していたということは、ニューオーリンズ好きにはよく知られた事実です。

クレオール料理のレシピ集らしいのですが、目次を見るとスープ、魚料理、冷製肉とその盛りつけ方、獣肉・鳥類・鹿肉料理のためのソース四五種、アントレ、羊肉・牛肉・ハムの料理、鶏・鳥類・鹿肉料理、野菜料理、卵料理(オムレツなど)、サラダとつけあわせ〔ほか〕、となっており興味をそそられます。私の大好物、シュリンプ・クレオールも載っているのでしょうか。手に入れてみたい一冊です。

クレオール料理やケイジャン料理のレシピ本は何冊か持っていますが、お気に入りは98年にニューオーリンズで入手した「Cookin’up the Blues with Tabasco」(1993年 McIlhenny Company)。ミュージシャンが紹介するレシピ集といった体裁をとっているのですが、ポイントは全ての料理にルイジアナが誇る調味料、タバスコが使われていること。登場するミュージシャンもマーヴァ・ライト、バックウィート・ザディコ、アール・キング、アーマ・トーマスなどの地元組からエルウッド・ブルース(ダン・エイクロイド)やジョー・ウォルッシュ、エアロスミスなどの全国区アーティストまで全20組。お店のショーウィンドウにディスプレイされているのを発見、お店のおばさんに交渉して売ってもらった一冊です。

さて、7日の昼ナルのライヴは、なんと初の試みのクラシック(小野寺ちひろ、pf)。ジャズクラブの空間で、コーヒーを手にしたお客さんを前にクラシックをやったらどんな感じになるのか?興味があったので、行ってみました。感想は空間との違和感はないということ。それから周りのノイズ(普通のコンサートの会場ではないので、どうしても各種ノイズが聴こえてくる)は思ったほど気にならなりませんでした。後は選曲や、演奏の進め方がポイントですね。こういったことが判っただけでも、ちょっとした収穫でした。

今日の愛聴盤
○DAVID T. WALKER: DAVID T. WALKER (LP 1971年 米ODE SP 77011)
R&Bやソウルからポップスまで、幅広くこなす名セッション・ギタリストのODE第一弾(通算4枚目)。スタッフ組が東海岸の雄ならば、対する西海岸はクルセイダーズ組でしょうか?ここでもジョー・サンプル(kb)、ウィルトン・フェルダー(b)が参加しています。御大のメロウなプレイは天下一品。ニール・ヤングの曲は(ここでは、 “Only Love Can Break Your Heart”)なんでこの頃の黒人ミュージシャンによく採り上げられているのでしょうか?
○MERRY CLAYTON: MERRY CLAYTON (LP 1971年 米ODE SP 77012)
上記のアルバムにも参加していたレーベル・メイトのセカンドで、勿論デイヴィッド・T・ウォーカー、ジョー・サンプル、ウィルトン・フェルダーも参加。ニューオーリンズ出身、元レイレッツ、ストーンズの “Gimme Shelter”でミックとデュエット、キャロル・キングファミリーの一員など、とても興味をひくアーティストです。ここでも1曲目にいきなりニール・ヤングの “Southern Man”が!この頃のODEの質の高さにも改めてビックリ(ODE SP 77009は、あのキャロル・キングの名作“つづれおり”)。
○THE METERS: KICK BACK (LP 2001年 米SUNDAZED LP 5081)
上の2枚の流れで聴きたくなったのが、2001年にリリースされたミーターズの未発表音源を多数含むこのアルバム。9分に渡って演奏されるニール・ヤングの “Down By The River”が聴きものです。しかし昔のニール・ヤングは本当にいい曲をいっぱい書いてますね。

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