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首藤明彦
コラム&エッセイ

東京的音楽生活













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 手賀沼ジャズ・フェスティバル - < 2003/08/27(Wed) 01:21 >
最近はほんとうに、夏は全国各地でジャズ・フェスティバルが開催されますね。先週末は、そんなジャズ・フェスティバルも大詰め、マウントフジ・ジャズ・フェスティバル、東京ジャズ、そして手賀沼ジャズ・フェスティバルの「三大ジャズ・フェスティバル」?(ⓒ小峯@Nardis)が行なわれました。私はそんな中から勿論「手賀ジャズ」を選び、柏のふるさと公園まで足を運びました。

ステージ上手袖にあるミュージシャン用テントに陣取り、大崎さん@DMEとビールをグビグビ、食べ物ムシャムシャやりながら、四方山話に花を咲かせたのですが、こののんびり、ゆったりした雰囲気いいですね。普通日本で開催される野外の音楽フェスティバルだと、前の方は押し合い圧し合いでうんざりした気分になるけれど、ここは全然違います。規模は全然違うけど、ニューオーリンズのジャズ・フェストの雰囲気を思い出しました。

そして地元高円寺では、いよいよ恒例の阿波踊りが始まるため(昨晩は前夜祭、そして今日27日、明日28日が本番!)、街中、特に商店街や駅前は阿波踊り一色といった雰囲気です。シンコペーションの有無の違いはあれど、ニューオーリンズはトゥー・ステップ(そしてシンコペーションしまくり)、阿波踊りは二拍子と、この二拍ものというのは延々と踊るのに向いているのかもしれませんね。

今日の愛聴盤
○DENNIS WILSON: PACIFIC OCEAN BLUE (LP 1977年 米CARIBOU PZ34354)
今年の夏はあまり暑くならなかったためか、ビーチ・ボーイズ関連はほとんど聴かなかったけれど(まぁ、カンタベリーミュージックにどっぷりだったし)、最近暑くなり出したらやっぱり手が出るようになりました。でもビーチ・ボーイズって、夏真っ盛りもいいけど、夏の終わりから秋の初めっていうのも結構合っているのでは。夏の終わりに過ぎ去った夏を想い返すような、そう“オール・サマー・ロング”(映画アメリカン・グラフティのエンディングで使われた曲)ってとこですかね。そしてこのアルバムは、ビーチ・ボーイズ唯一のビーチ・ボーイ、ウィルソン兄弟の次男デニスが残した唯一のソロ・アルバム。永遠の少年デニスの魅力が満載のこのアルバムには、男の哀愁が充満しています。

○DAN PENN: NOBODY’S FOOL (LP 1973年 米BELL 1127)
暑い時はスワンプも暑さが倍増していいですね。という訳で、名ソングライターにして名プロデューサーでもあるダン・ペンの、自作自演によるこのアルバム(メンフィス録音)を引っ張り出してきました。泥臭さをちょっと控えめにして甘さを絶妙にブレンド、これも男臭さで一杯の一枚です。数年前にこの作品にも参加しているスプーナー・オールダム(kb)と共に来日してくれましたが、いつかリズムセクションも加わった編成で是非聴いてみたいなぁ。
 浜田真理子さん - < 2003/08/19(Tue) 15:31 >
先々週、先週とかわはらさんと3回に渡って激飲しました。先々週の金曜日には、ハラホロシャングリラを観た後高円寺で、翌土曜日は友人夫妻を交え新中野で、そして先週の水曜日は大学の数学の先生2名を交え新宿のゴールデン街で、といった具合です。そしてここでもコントレックスが大活躍、いずれの日も深酒したのにもかかわらず、帰宅後のコントレックス大量摂取により二日酔い知らずでした。うーん、ヤバイ。いい気になって肝臓に負担をかけ過ぎないように、気をつけなければ。

さて、もう先々週の話になってしまったのですが、久しぶりに以前同じ会社で働いていた元同僚のIさんと会いました。彼は浜田真理子さんというシンガー(ソングライター兼ピアニスト)を知り、アーティストとして惚れ込み、会社をやめて彼女のための会社を興し、今は彼女のマネージメントを行なっているというのです。私は寡聞にして彼女のことを知らなかったのですが、Iさんの話を聞き非常に興味を覚えました。一人の男をそこまで突き動かしたアーティストの生み出す音楽について、是非聴いてみたいと思ったのです。

帰宅後、もう夜中の2時過ぎでしたが、彼から「是非聴いて感想を聞かせて欲しい」と受け取ったCD(2枚組のライブ盤)を直ぐにプレイヤーにかけたのでした。彼女の歌声は、一気にこちらの心に響いてくるというよりは、じわじわと時間をかけてゆっくりと染み入ってくるような歌声でした。それ以降彼女のCDを聴き続けているのですが、聴く度に新しい発見があったり、印象が変わったりしています。もうしばらく時間をかけて、彼女の音楽とじっくり向き合ってみようと思っています。

今日の愛聴盤
○SOFT MACHINE: THIRD (LP 1970年 英CBS 66246)
ソフト・マシーンの代表的作品ともいえる大傑作。発表から30年を経過しても、このヴィニール盤に刻まれている音楽は古さを感じさせません。大いなる実験精神と強靭な胃袋に支えられ、複数のジャンル(ジャズ、現代音楽、ロック、ポップス)を飲み込み、それらを再構築したノン・コマーシャルな4曲からなる2枚組み(各面1曲ずつ!)。今でも聴くたびに新たな発見があります。ここにマイク・ラトリッジ(kb)、ヒュー・ホッパー(b)、ロバート・ワイアット(ds、vo)、そしてこの作品から新たにメンバーとなったエルトン・ディーン(sax)という(私的)最強の布陣が揃ったのですが、このメンバーによる録音がこの“THIRD”と次の“FORTH”しかないのが誠に残念!

○ビートクラブ〜黄金のロック伝説 VOL.7 プログレの先駆者たち (LD 1988年 日レーザーディスク株式会社 SM048-3227)
このレーザーディスクを買ったのは、なんといっても上記最強メンバー時代のソフト・マシーンの雄姿を拝むために他ありません。収録されているのは上記の“THIRD”の中でも特に好きなラトリッジのペンによる “Out-Bloody-Rageous”1曲のみ(12分弱)。時代を感じさせる、演出過剰なサイケ画像にはちょっと閉口させられますが(もっとちゃんと演奏場面見せんかい!)、それでも充分シビレます。あー、もっと見たい。フルステージの映像は残っていないのでしょうか?他にELP、クリムゾン、ナイス、イエス、クラフトワークを収録していますが、どれも初期(69〜72年)の映像で貴重です。
 血液サラサラ - < 2003/08/10(Sun) 14:10 >
最近、血液サラサラを目指し、以前飲んでいた世界最高硬度のナチュラル・ミネラルウォーターのコントレックスを、また飲み始めました。以前は通販のみだったので、取り寄せるしか方法がなかったのですが(それも高かった)、今は近所のドラッグストアで普通に、それも低価格で手に入ります。

軟水になれている日本人の中には、コントレックスのような超硬水は苦手という人もいますが、私は初めて飲んだときからまったく抵抗がなく、おいしいじゃんといってよく飲んでいました。久々に飲んだコントレックス、やはりおいしく病みつきになっています。とりあえず体のことを考え、お風呂に入る前、寝る前、朝起きた直後、お酒を飲んだ後は、必ずコントレックスを飲むようにしています。

特にお酒を飲んだ夜、寝る前に大量のコントレックスを飲むと効果的面、翌朝快調に目覚められます。ミネラル(カルシウムやマグネシウム)を他のミネラルウォーターと比較にならないくらい豊富に含んだコントレックスは、ミネラルの摂取量が不足がちな現代人には、まさにうってつけの水なのではないでしょうか。

そして台風一過、いよいよソフト・ワークスのコンサートへ行く日がやってきました。最近は、コンサートへ向けて、自らを盛り上げるために?カンタベリー・ミュージック漬けの毎日でした。個人的には、キーボードのマイク・ラトリッジの不参加が残念ですが、それでもメンバーの入れ替わりが激しかったソフト・マシーンの歴史の中で、最も好きだった時期の中核メンバー、エルトン・ディーン(sax)とヒュー・ホッパー(b)の参加は嬉しい限りです。

今日の愛聴盤
○SOFT MACHINE: SOFTS (LP 1976年 英HARVEST SHAP 4056)
記憶が間違っていなければ、私が最初に聴いたソフト・マシーンのアルバムです。その頃はカンタベリー・ミュージックなんて言葉も知らず、ジャズ・ロックというよりは、当時流行っていたフュージョンの1枚として接した記憶があります(フュージョン好きの友人から借りたのでした)。もう初期〜中期の主要メンバーは誰もいませんが、カール・ジェンキンス(kb)、ジョン・エサリッジ(g)を中心に質の高いジャズ・ロックを作り上げ、後期の代表作といえるでしょう。この時代のメンバーからは、ドラムのジョン・マーシャルがソフト・ワークスに参加しています。

○SOFT MACHINE: FOURTH (LP 1971年 米COLUMBIA C 30754)
私が初めて買ったソフト・マシーンのアルバムは、ソフツ初体験からかなり時が経過した後、ある中古屋で何気なく購入したFOURTHのアメリカ盤でした。その頃ソフト・マシーンのことはあまり知らなかった私は聴いてみてビックリ、なんとそこで展開されていたのはジャズ・ロックというよりは、完全にアヴァンギャルドなフリー・ジャズでした。ディーンとラトリッジが大活躍のこのアルバムで、ソフト・マシーンに対する興味が沸き起こったのです。この時代のメンバーからは、ディーンとホッパーがソフト・ワークスに参加しています。
 マルヒケン - < 2003/05/19(Mon) 02:32 >
久しぶりの更新です!最近はコンサートもライヴにも全然行けていないので、ちょっと前になってしまいますが、4月末に友人に誘われて下北沢の本多スタジオで観た㊙犬(マルヒケン)第9回公演「犬死の反対は劇的なのだ!」について少し。しかし靴を脱いであがる小劇場に行ったのはホントに久しぶり。80年代に劇団ルート2を新宿かどこかで見て以来でしょうか?作・演出はバラエティ、お笑い系の放送作家で、自らも芸人、さらにこの舞台にも俳優として出演している劇団の主宰者、石河修。ハラホロシャングリラの中野さんといい、バラエティ・お笑い系の放送作家はもうひとつの自己表現手段として演劇を選ぶのでしょうか?

出演は男性ばかり、わずか4人。作品も演出も直ぐ間近に観客がいる小劇場の小空間を意識した作りで、まだまだ粗もあるけど(台詞をしゃべっていない俳優の演技とか)ライヴ感を生かしたスピード感のある演出は好感が持てました。コントの積み重ねによりひとつの話を形成しているような感もありますが、今はまだ「完成度」とか「メッセージ性」とか考えず、パワーで押し切ってほしいですね。石河さんを始め、アクの強い俳優人も魅力的です。この一作だけではなんとも言えませんが、年末に行われる次回公演にも是非足を運んでみようと思います。

先週末、久々にCDを購入。手に入れたブツはロリー・ギャラガー「ホイールズ・ウィズイン・ホイールズ」(BMGファンハウス BVCM31095)とソフト・マシーン「トップ・ギア・セッションズ」(MSI MSIG0022/3)。両方とも過去の未発表音源を中心にしたもので(前者は全曲未発表)、ますます現在進行形の「商業音楽シーン」と離れていく自分ですが、こういった物の方が面白いのだから仕方がありません。両方とも二重丸、今後長く付き合っていけそうな作品でした。ソフト・マシーンの来日が(ソフト・ワークス名義ながら)楽しみです。

今日の愛聴盤
○WHITE ELEPHANT: WHITE ELEPHANT (LP 1972年 米JUST SUNSHINE JSS-3000)
かつてフュージョン全盛期の70年代末〜80年代初頭、当時のフュージョン・シーンの中心人物たちが大挙参加したアルバムとして、「フュージョン時代の先駆け」アルバムとして一躍注目を浴びた2枚組み。当時は入手困難で「幻の1枚」でした。全曲ヴォーカル入りで、フュージョンというよりはフュージョン風味のAORといった趣でしょうか。中心人物はヴァイブ奏者としてステップス・アヘッドで一世を風靡したマイク・マイニエリ(kb、perc、vo)。参加メンバーはスティーヴ・ガッド(ds)、ブレッカー兄弟、ヒュー・マクラッケン、デイヴィッド・スピノザ(g)、トニー・レヴィン(b)、ウォーレン・バーンハート(kb)、ジョージ・ヤング(as)他と、ニューヨーク〜ウッドストック・ベースのミュージシャンが多数名を連ね豪華そのもの。しかしウッドストック・フェスティヴァルのプロモーターとして知られるマイケル・ラングが興したこのレーベル、数は少ないけどいいレコードを色々と出していますね。

○KAREN DALTON: IN MY OWN TIME (LP 1971年 米JUST SUNSHINE PAS 6008)
ジャスト・サンシャインと言われて最初に思い出すのは、やはりこの1枚でしょうか。フォーク・シーンで活動していた女性ヴァーカリストのこのセカンド・アルバムは、全編カヴァーながら見事に各曲を自分のものにしており、その気だるいハスキーヴォイスは独特の説得力を持って聴くものの胸に迫ってきます。更にエイモス・ギャレット、ジョン・ホール(g)、ジョン・サイモン(p)、ハーヴィ・ブルックス(b)、ビル・キース(steel g)などの名手が、絶妙なバッキングを務め、滋味溢れる名盤が誕生しました。
 Sleep Walker/coba/6番シード - < 2003/04/22(Tue) 02:43 >
今年のジャズ・フェストも目前に迫り、行けない身としては悶々とする日々が近づいてきました。行けなきゃ近場で我慢しましょう、という訳ではありませんが、最近行った公演(ライヴ&コンサート&演劇)についてちょっとばかし。

既に10日ほど前の話になってしまいましたが、12日の土曜日はジャズとクラブミュージックの融合に取り組み、海外でも高い評価を得ているというSLEEP WALKERを聴きに、渋谷のJZ BRATへ。いつもと違いステージ前のテーブルが取り払われ、スタンディングのスペースがあり、客層も通常よりずっと若い感じ。

このバンド、ベースが菊地雅章率いるOn The Moveの杉本智和君ということで行ったのですが、ジャズ・サークル出身じゃない二人(中村雅人=sax、吉澤はじめ=pf)が目いっぱい撒き散らす個性を、ジャズ・サークル出身のリズム隊(杉本智和=b、藤井伸昭=ds)がガッチリと受け止めるといった風情で、グルーヴ感もあり楽しめました。このリズムセクションが肝ですね、このバンドは。そうそう、サックスの中村のプレイや音色を聴いて思い出したのが、アルゼンチン出身の超個性派ガトー・バルビエリ。家に帰って久々にガトーのプレイを聴いたのは、言うまでもありません。

そして16日の水曜は、アコーディオン奏者cobaさんの “tour 2003 運命のレシピ”ツアーのファイナルを聴きに赤坂ACTシアターへ。バックを務めたのは伊丹雅博(g)、バカボン鈴木(b)、河合代介(kb)、yoshie(ds)。さすがにテクニシャン揃いでしたが、中でもバカボンさんのベースは圧巻でした。照明も凝ってたし演奏も結構ギンギンで、プログレ・ロック・バンドのコンサートを見に行った感じでした。ただし、おしゃべりがやたらと長かったことを除いてですけどね。

更に18日の金曜日は劇団6番シードの10周年記念公演「ペーパーカンパニー ゴーストカンパニー」(脚本・演出:松本陽一)を観に、池袋の芸術劇場小ホール2へ。ちょうど1年位前から観始めたこの劇団、今回で4回目でしたが、やる度に会場がグレード・アップ、遂に芸劇です。おまけに満席で立ち見も!相変わらずの力作で、2時間半休憩なしで一気に魅せてくれました。こういう時は酒も美味い?という訳で、安部さんとナルOB会以来の徹夜飲みまくり、久々の朝帰りとなりました。次回の7月に行われる第20回公演は、松本陽一のデビュー作「ホテルニューパンプシャー206」の再演とのこと、今から楽しみです。

今日の愛聴盤
○O.V. WRIGHT: MEMPHIS UNLIMITED (LP 1973年 米BACK BEAT BBLX-72)
洋楽を聴き始めた頃はニューソウル真っ盛り、ロック少年だった私も全米トップ40で流れるスティーヴィー・ワンダーやビリー・プレストンに耳を傾けていました。ソウルにより傾倒したのは高校生になってからで、まずはサザン・ソウルにハマりました。ジェイムス・カーそしてO.V.ライト。O.V.は当時、ハイでの “INTO SOMETHING”が新譜だったのを覚えています。そんなライトの最盛期、名盤の多いバックビート時代の必殺の1枚がコレ。ウィリー・ミッチェルのプロデュースの下、メンフィスの名手によるバツグンのサウンドに乗り、O.V.の名唱が堪能できます。悶絶バラードの “He’s My Son”に悶絶ミディアムの “Lost In The Shuffle”と悶絶曲のオン・パレードです。

○JOHNNY ADAMS: STAND BY ME (LP 1976年 米CHELSEA CHL 525)
ニューオーリンズが生んだ最高のシンガー、タン・カナリアことジョニー・アダムスも病魔には勝てず、闘病生活の後98年9月14日にこの世を去りました。98年のジャズ・フェストの最終日、ゴスペル・テントでの恒例のエアロン・ネヴィルのステージで、エアロンに呼ばれ闘病中の彼がステージに上がり熱唱を聴かせてくれたのは、個人的に忘れ難い想い出となっています。このアルバムは高校生の頃初めて入手したジョニーのアルバムで、本当に良く聴きました。所謂ニューオーリンズ・サウンドではありませんが、この頃からニューオーリンズにハマッて行くのです。
 フレンチクウォーター・フェスティヴァル - < 2003/04/11(Fri) 22:53 >
この間の日曜日、かわはらさんからお花見に誘われ、久々に中目黒へ。中目黒はかつて住んでいた街なので、なんかほっとする場所でもあります。お花見なんて何年ぶり?といった感じでしたが、こういった季節の移ろいを感じさせるイベントは心が和みます。とはいえ凄い人出や、トイレの長蛇の列にはちょっと辟易としてしまいますが。

さて海の遥か向こう、ニューオーリンズでは今日11日からフレンチクウォーター・フェスティヴァルが3日間に渡って開催されます。地元のミュージシャンを聴くのなら、かのジャズ・フェストよりも強力かもしれない最近話題のこのフェスティヴァル、ニューオーリンズの中心エリア、フレンチクウォーターで開催される無料音楽祭で、ステージはその数なんと15(他に劇場がひとつ)。これが同時進行で行われるのだから凄いものです。出演バンドの総数は160以上、更に60以上のフード・ブースも設けられます。

出演者も、地元のメジャーどころからマイナーなミュージシャンまでほとんど網羅しており、さしずめニューオーリンズの音楽見本市といったところでしょうか。初日の今日は11ステージのみですが、ざっと見てもキポリ・ウッズ(R/B)、ジョー・クラウン・オルガン・コンボ(R/B)、ジュース(Funk/Soul)、リトル・フレディ・キング(R/B)、アーヴィン・メイフィールド(Jazz)、ココ・ロビショー(R/B)、アイリーン・セイジ(Rock)、パパ・グロウズ・ファンク(Funk/Soul)、オール・ザット(Funk/Soul)、テレーサ・アンダーソン(Rock)、マーヴァ・ライト(R/B)、ウィリー・ティー(R/B)、ボーンラマ(Funk/Soul)、ソウル・レベルズ(Jazz)、ドゥウェイン・ドゥプシー(Zydeco)、クウィントロジー(Jazz)などなど、初日から美味しいステージが目白押しです。

特にブラスバンドばかり、ケイジャンとザディコばかり、といったステージがあるのが自らの文化や伝統に敬意を払っているニューオーリンズらしく、もしそこにいたら、そういったステージに釘付けになるでしょう。また同時開催でワークショップや展示会なども行われ、単なるお祭り騒ぎの音楽祭とは一線を画しています。人種と文化のメルティングポットであり、音楽と共に歩み続けてきたこの街は、ますますその方向性を強めているようです。

今日の愛聴盤
○MARCIA BALL: CIRCUIT QUEEN (LP 1978年 米CAPITOL ST-11752)
ルイジアナ〜テキサス・エリアで長年に渡り活動しているロッキン・ブルース・レディ、マーシャ・ボールのファーストは、なんとナッシュビルのアメリカン・スタジオ録音。全曲カヴァーで、バックもアルバート・リー(g)、ロドニー・クロウェル(g)、バディ・エモンズ(steel g)、ランディ・グッドラム(kb)、ニコレット・ラーソン(b-vo)とかなり豪華。若々しいマーシャの歌声が聴けます。

○V.A.: NEW ORLEANS JAZZ & HERITAGE FESTIVAL (LP 1979年 米FLYING FISH 099)
ジャズ・フェストのライヴを収録したアルバムといえば76年のフェスティヴァルを収録したアイランドの2枚組みが有名ですが、これは79年に行われた10回目のフェスティヴァルを収録した1枚。アイランド盤がニューオーリンズのビッグ・ネームを中心に収録したのに対し、こちらは有名無名(一般的には無名なローカルミュージシャンを多数収録)取り混ぜて、ジャズ・フェストの多彩性を浮き彫りにする編纂方法を取っています。とは言えレーベルの性格上、ブルース、ザディコ、ケイジャン、ジャズ、ブラスバンドあたりにジャンルは絞られていますが。ヘンリー・バトラーやアイアニング・ボード・サムなど、今も活動中のミュージシャンの20年以上前の録音は貴重なのでは。更にクリフトン・シェニエ、ルーズヴェルト・サイクス、ロバート・ピート・ウィリアムス、ユービー・ブレイク、チャールズ・ミンガスなども収録。
 ルーツ・オブ・ミュージック - < 2003/04/06(Sun) 06:30 >
木曜の深夜、フジテレビで「ルーツ・オブ・ミュージック4ニューオリンズ 音楽のルーツを訪ねる旅」という番組が放送されました。夜遅くだったにもかかわらず、ついつい見入ってしまいました。

今までも同趣向の番組は色々とありましたが、今回のものは今までのものとは比べ物にならないくらい、よくできていました。なんせ頭でいきなりカーミット・ラフィン、そして次にジェイムズ・アンドリューズが登場したのですから。ニューオーリンズでは今でもトランペットは花形楽器で、トランペット・プレイヤーは街の人気者です。一般には、ニューオーリンズ出身のトランペッターといえばウィントン・マーサリスが有名ですが、ニューオーリンズで実際に人気があるのはウィントンより更に若い世代の、カーミット、ジェイムズ、そしてニコラス・ペイトンなのです。

しかし、ジェイムズの弟のトロンボーン・ショーティーがデカくなっていたのには驚きました。
私がジェイムズの率いるブラスバンドや、ネヴィル・ブラザーズのステージで彼が演奏するのを見た99年頃は、ほんとに小さな子供だったのに。17歳の彼はもう大人ですね。

そして番組ではブラック・インデアンのワイルド・マグノリアスや、人気のインスト・ファンク・バンドのパパ・グロウズ・ファンク、更にネヴィルズのシリルも登場。また故プロフェッサー・ロングヘアーやアレン・トゥーサンを採り上げる等、ニューオーリンズの音楽シーンの歴史と現在のシーンを限られた時間の中でうまくまとめていました。

これはニューオーリンズの音楽シーンに長けた人物が関わっているなと思ってエンド・クレジットに注目すると、ニューオーリンズのピアニスト兼ヴォーカリストにして日本通のA.J.ロリアの名前を発見!彼がどの程度関わったかは定かではありませんが、やっぱりねと納得したのでした。

今日の愛聴盤
○A.J. LORIA: NEW ORLEANS、NEW ORLEANS (LP 1983年 米ORLEANS OR32984)
という訳でA.J.のファーストを。80年代末、彼が日本に来て帰国する日、池袋まで見送りに行った際にジャケットに書いてもらったサイン付きです。91年初めてニューオーリンズに行った時は、家にも遊びに行きました。録音場所はかのシーセイントやウルトラソニックなどで、参加ミュージシャンのクレジットを見るとバーナード・パーディー(ds)、ジョン・ヴィダコヴィチ(ds)、ウィントン・マーサリス(tp)、ブランフォード・マーサリス(sax)、チャールズ・ネヴィル(sax)とビッグ・ネームの名前も。ジャジーなシンガー・ソング・ライターのアルバムといった趣で、洒脱なA.J.のピアノとヴォーカルを聴くことができます。曲によっては、ちょっとジョン・サイモンを思い起こさせるところもあります。

○PROFESSOR LONGHAIR: NEW ORLEANS PIANO (LP 1972年 米ATLANTIC SD 7225)
私がニューオーリンズの音楽にハマるきっかけを作ったひとり、フェス(p、vo)の代表作。49年と53年のヴィンテージ録音をコンパイルした1枚で、そんな昔にこんなハイブリッドな音楽を創り出していたことに驚かされます。53年のセッションにはアール・パーマー(ds)、リー・アレン(ts)、レッド・タイラー(bs)といったニューオーリンズ・レジェンドの名前も。”Tipitina”や”Mardi Gras In New Orleans”などフェスが産み落としたニューオーリンズ・クラシックの数々。これがなかったら、後のニューオーリンズR&Bもファンクも生まれなかったはず。
 FACP - < 2003/04/04(Fri) 03:21 >
8月末、1995年の神戸大会以来久々にFACP(The Federation for Asian Cultural Promotion)のコンファレンスが日本で開催されることになりました。神戸の時は、会議の1週間後に阪神大震災が起こり驚いたことを今でも覚えています。今回は東京での開催、私もお手伝いをすることになりました。以前香港で開催された際に日本の参加者の幹事を務めたことがありますが、今度はホスト側としての参加となります。こういう時代だからこそ、国際交流はますます重要な位置を占めることになるだろうことを思うと、是非成功させたいですね。

そういえば神戸大会の初日、受付を終わらせた後開かれたウェルカム・レセプションでのこと。私から十数メートル離れた所に、台湾からの参加者のグループが集まっていました。そして私を見つけた彼らは、中国語で私に何かを言いながら笑顔で近づいて来ました。私の前まで来た彼らは、キョトンとした顔をしている私の胸に付いている名札を見て、ビックリしてひとこと。「オー、ジャパニーズ!」

そのなかの一人の若い女性が、「台湾からの参加者で集まって話をしていたら貴方のことが目に入って、みんなてっきり台湾人だと思って話しかけたのよ。日本人とは、ビックリしたわ。」うーん、私は台湾顔だった訳ですね。そういえば、私の兄もシンガポールで仕事をしていた時、華僑のシンガポール人から「あなたは絶対中国系」と言われ、日本人と言ってもなかなか信用してもらえなかったと話していたことを、思い出しました。

今回もアジアを中心に、オセアニア、ヨーロッパ、アメリカなどから沢山の人が参加し、ここから新しい交流が生まれることを期待しましょう。

今日の愛聴盤
○SONIA ROSA: SAMBA AMOUR (LP 1979年 日CBS/SONY 25AH 505)
我が青春のアルバムともいうべきレコード。リリースされた当時、お茶の水ナルでへヴィー・ローテーションでかかりまくっていました。私もかなり気に入り、よくリクエストしたことを覚えています。ブラジル出身のソニアのキュートなヴォイスを最大限に生かすべく、ルパン三世の音楽で有名な大野雄二がプロデュース、作曲、アレンジ、プレイ(kb)と八面六臂の大活躍、この人やっぱり天才です。ポルトガル語の曲に混ざり3曲収録の日本語の曲(作詞:竜真知子、作曲:大野雄二)の持つ、ボサノヴァ・ミーツ・歌謡曲(もしくはニューミュージック)チックなところが大好きです。ソニアのヴォイスにとろけること間違いなしの1枚。

○YOSHIAKI MASUO(増尾好秋): SUNSHINE AVENUE (LP 1979年 日ELECTRIC BIRD SKS 8005)
同じ時期の日本制作のアルバムをもう1枚。この時期日本のレコード会社はフュージョン系レーベルを作り、せっせと日本人ミュージシャンのアルバムを作りましたが、これもそんな1枚。渡辺貞夫グループを経て70年代初頭ニューヨークに渡り、ソニー・ロリンズのグループに加わって名を上げた増尾のフュージョン・アルバム第2弾。このアルバムで初めて怪人ベーシスト、T.M.スティーヴンスの存在を知りました。特に好きなのが頭を飾るタイトル・ナンバーで、これもお茶の水ナルでよく聴いたなぁ。ここに詰まっているのは、正にとびっきり79年のサウンド。懐かしいけど、今聴いてもやっぱりカッコイイのです。


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